ヒリュウ(Poncirus trifoliata var. monstrosa (T. Ito) Swingle)にみられる枝ととげの屈曲性の遺伝
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概要
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ヒリュウにみられる枝ととげの屈曲性の遺伝様式について検討するため, ヒリュウを含むカラタチの品種・系統やカンキツ属植物の自殖や交雑により生じた実生個体群について, 1年生時に枝ととげの形態を調査した.枝ととげの屈曲型と直立型の分離状況は正逆交雑で違いが認められ, 屈曲型の個体は種子親がヒリュウの細胞質を持つ個体群のみで生じた.屈曲型を分離した個体群では直立型も分離したことから, 枝ととげの屈曲性の遺伝には細胞質と核遺伝子が関与し, 細胞質と核遺伝子が共に屈曲型の場合に屈曲型が発現すると考えられた.核遺伝子について, 枝ととげの屈曲を促す3対の補足遺伝子(Cr_1, Cr_2, Cr_3)を想定し, ヒリュウの遺伝子型をCr_1cr_1Cr_2cr_2Cr_3cr_3とする仮説は, 1個体群を除いて供試した個体群における分離比と矛盾しなかった.
- 園芸学会の論文
- 2005-05-15