リハビリテーション・鍼灸・QOL(<ワークショップ>鍼灸とリハビリテーション)(第41回 日本リハビリテーション学術集会)
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概要
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本学会の学術集会のプログラムに,鍼灸医療に関する独立したセッションが設けられたのは私の記憶によればおおよそ30数年ぶりのことである.医療の供給は一元的ではなく多元的な要素をもったアプローチの必要性が叫ばれ,医療供給の容はまさに統合化に進もうとする時期に,再びわが国の伝統医療にまなざしを向けられ,多元的な要素の選択肢として鍼灸医療の再認知を試みられた江藤会長のご卓見に,深く敬意を表するものである.他国はともかくわが国においては,鍼灸医療とリハビテーション医療(以下,リハ医療)とは近縁関係にあったと私は思っている.なぜならば,過去1000年余にわたって-その間には明治政府の医療統制(西洋医学を国の通常-本流-医学と位置付けた)や第二次世界大戦後の米占領下における厚生行政(鍼灸医療は非科学的という評価)による圧迫をうけた時期がありながら-在宅の障害者とかかわりを持ちつづけ,現在でいう在宅リハの一翼を担ってきたのは鍼灸医療家であったこと,そしてすくなくとも1960年代までのわが国における医療機関の理学療法部門(現在の理学療法士が担当している部門)は,鍼灸を主業とする専門家がその主治を依託されてきたという歴史的事実があったことと,加えて,両医療の病態の捉え方は,個々の障害もしくは症候にとらわれずにこれらを内蔵した個体に焦点を合わせ,「全人間的復興」を目的とする医の理念に合一性とも思われるほどの近似性を感ずるからである.以下,本ワークショップの標題に沿い,リハ医療の場における鍼灸医療のかかわりあいについて,リハ医療の実践経験を通じて論じてみたい.
- 2004-12-18
著者
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