深在性う蝕の裏層が鋳造歯冠修復物の辺縁漏洩に及ぼす影響
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概要
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目的: 裏層が鋳造歯冠修復後の辺縁漏洩に及ぼす影響を検討した.<BR>方法: ヒト抜去上顎第三大臼歯を用い, MODインレー窩洞形成後, 深在性う蝕を想定し, 近遠心側壁に直径1.6mmの半円球小窩を付与した. 裏層試験片群では, 小窩を3種の裏層材 (従来型およびレジン強化型アイオノマー低粘性コンポジット) で充填した. 12%金銀パラジウム合金製インレーを4種の装着用セメント (リン酸亜鉛: HZ, 従来型およびレジン強化型アイオノマー: FIおよびVL, 接着性レジン: SB) で装着し, 37℃水中に1日保管後, 熱サイクルを5, 000回付与した後に, 2%エリスロシン水溶液に1日浸漬し, 色素浸入度を測定した. また中央部に同サイズの小窩をもつヒト象牙質円板試料を用い, 裏層・無裏層群に同合金製円板を4種の装着材で装着して試験片とし, 同条件の負荷後, 剪断接着強さを測定した.<BR>結果: SBで装着した試験片では色素浸入は認められず, HZでは歯髄腔まで色素が浸入していた. FIとVLでは中程度の浸入を示したが, 無裏層のほうが低い浸入度を示した. SB, VLの接着強さは裏層材による影響が認められた. HZとFIの接着強さは0であった.<BR>結論: 鋳造修復物の辺縁封鎖性は, 裏層に影響されることが明らかになった. しかし, 接着性レジンで装着することで, 良好な辺縁封鎖が得られることが示唆された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2004-10-10
著者
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