近年の中国活断層研究の進展
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概要
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本論文では中国における活断層研究の歴史及び近年の主な進展状況を簡潔にとりまとめた。中国の活断層研究の歴史は以下の三つの段階に分けられる : 1) 20世紀前半の第一段階では, 活断層研究は大地震と断層の関係の定性的な記述が中心;2) 1960年代から1970年代に至る第二段階では, 重要な地震帯における活断層について全面的な調査を実施;3) 1980年代初期からの第三段階では, 下記のような定量的な研究を実施 : 断層変位速度, 地震断層と変位量分布, 古地震調査と地震再来周期, 断層幾何学とセグメンテーション, 地震危険度の評価など。中国大陸は第四紀の構造運動の差異によって, 五つの活構造区に分けられる。即ち, チベット活動構造区 (TTP), 新彊ウイグル活動構造区 (XUTP), 東北活動構造区 (NETP), 華北活動構造区 (NTP), 華南活動構造区 (NTP) である。これらの各活動構造区内と境界に分布する活断層について本小論では主に議論した。また, 最近大きく進展してきた古地震及び断層セグメンテーションを中心とする研究について検討した。即ち, 大規模トレンチ調査や三次元トレンチ調査が適用され, 主な断層帯に沿っての古地震の活動履歴, 断層セグメントとセグメント境界の持続性, 及び断層セグメンテーションの等級と断層の多重破壊との関係などに関する研究を紹介した。これらの資料は, 中国大陸地震危険度の高精度化に役立てられると期待される。
- 2003-08-25
著者
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