有彩色および無彩色刺激の形態記憶
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概要
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本研究では物体の形態記憶における色情報の影響を調べた。有彩色刺激として赤, 黄, 緑, 青の4色と, 有彩色刺激の形態記憶に対する彩度の影響を調べるため低彩度の赤, 青の刺激, 刺激と背景の色差の影響を調べるため, 赤の刺激に対しては灰色背景と色差がほぼ等しい紫, 緑背景の刺激を加えて使用した。無彩色刺激として白, 白灰, 黒灰, 黒の4色を使用した。さらに無彩色刺激の, 形態記憶に対するエッジの知覚的明瞭度の影響を調べた。実験では, 被験者に, 同色の4つの単純図形を中央に並列させた刺激を800ミリ秒間呈示し, 10秒間の遅延時間後, 記憶した図形を再生させた。その結果, 有彩色では彩度の高い赤, 青が, その他の色よりも高正答率となった。無彩色ではエッジの知覚的明瞭度による正答率の差はみられず, 高コン卜ラス卜の無彩色刺激は有彩色刺激の高彩度刺激と同等の正答率を示した。有彩色刺激と無彩色刺激の両者に共通して, 正答率とCIELUV色差との間に相関はみられなかった。一方, 知覚的色差との間には相関が得られた。これから, 刺激と背景との知覚的色差は, 物体の形態記憶に関与していることが示唆される。
- 日本色彩学会の論文
- 1999-03-01
著者
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佐々木 陽子
宇都宮大学工学部情報工学専攻
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松澤 麻記
Utsunomiya University
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佐々木 陽子
Utsunomiya University
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阿山 みよし
Utsunomiya University
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阿山 みよし
宇都宮大学工学部情報工学専攻
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松澤 麻記
宇都宮大学
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