義歯装着者における最大咬合力と咬筋の厚さの関連性
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概要
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目的: 本研究は咬合力計測を補綴処置の評価に応用するための基礎的研究として考案され, 義歯を装着している多数歯欠損症例における最大咬合力と安静時の咬筋の厚さの関連性を調査した.<BR>方法: 義歯装着者は残存歯による咬合接触の有無により, 全部床義歯群 (CD群) 12名 (59〜79歳) と部分床義歯群 (RPD群) 12名 (52〜85歳) に分類した. 対照群 (Co群) として12名の健常有歯顎者が参加した. 最大咬合力はデンタルプレスケールシステムを用いて計測し, 安静時の咬筋の厚さは超音波画像診断装置により計測した. 単回帰分析にて最大咬合力と咬筋の厚さの関連性を調べ, 共分散分析にて回帰直線を群間で比較した.<BR>結果: 最大咬合力と安静時の咬筋の厚さの間には, 有意な正の強い相関が観察された (r=0.71〜0.93). 回帰直線を各グループ間で比較した結果, 傾きには有意差は観察されなかったが, 切片は各グループ間で有意差が観察され (P<0.05), Co群>RPD群>CD群の順で大きかった.<BR>結論: 安静時の咬筋の厚さ計測により, 最大咬合力の基準を作製することが可能であることが示唆された. また, 各口腔状態における最大咬合力の基準を咬筋の厚さ計測から作製することにより, 最大咬合力を補綴処置の評価のより有効な指標として応用できる可能性が示唆された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2004-08-10
著者
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