ヒト樹状細胞(DC1 とDC2)
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概要
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樹状細胞(dendritic cells; DC)は,最も強力な抗原提示細胞として抗原特異的な免疫反応を開始する免疫系の中心的な細胞である.ヒトのDCは,骨髄系のDCであるCD11c+DCと単球由来のDC,およびリンパ系のDCと考えられている形質細胞様DC (plasmacytoid DC)という異なるサブセットからなる.これら異なるDCサブセットは,前駆細胞の段階で異なる菌体成分を認識し,異なるサイトカインを産生することにより,自然免疫反応において役割分担を果たす.一方,いずれのDCサブセットも,種々のサイトカインや菌体成分に反応して,侵入してきた抗原を排除するのに適したタイプの異なる獲得免疫反応を誘導する能力をもつ.このように, DCは広汎な免疫反応に関わることから,自己免疫疾患,感染症,癌などの治療において望ましい免疫反応を誘導するためには, DCの機能を制御することが重要となろう.
- 社団法人 日本内科学会の論文
- 2003-10-10