義歯安定剤を使用していた症例
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概要
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義歯安定剤の使用に関しては賛成しかねるという意見を大半の臨床家がおもちであると理解しているのは, 著者だけではないと考える. しかし, 患者さんはわれわれが想像する以上に義歯安定剤を日常的に使用しているようである. TVで毎日のようにコマーシャルがながれ, また, 薬局へ行けば容易に手に入ることが大きな要因であると思われる. 問題は, リライニングしたほうが良いと思われる不適合な義歯を義歯安定剤で補い使用していることである. 安定剤の『功罪』をいうならば, 『罪』の要素がほとんどであることは周知の事実であるが, 現在のような超高齢者社会では, 在宅寝たきり老人の義歯では, 必ずしも義歯安定剤の使用を否定できない. しかし, 基本的には歯科医師の指導, 管理のもとで使用するようにすべきと考える. 今回, 開業医の立場から, 著者の経験した義歯安定剤 (ホームリライナー) を上手に使用していた症例と悪い症例を呈示した.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2003-06-10