核酸系逆転写酵素阻害薬ジダノシン(ヴァイデックス)の薬理作用と臨床効果
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概要
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核酸構成成分のプリンヌクレオチドのアナログであるジダノシン(ddI)の活性代謝物ddATPは,E.coliのDNAポリメラーゼの作用を阻害することが知られていたが,1985年にNCIの満屋らにより,ジダノシンおよびddAがヒトT細胞においてヒト免疫不全ウイルスの複製の阻害作用を示すことが報告され,臨床応用への道が開かれた.ジダノシンは細胞内に取り込まれた後,活性代謝物ddATPとなりHIVの逆転写酵素を阻害する.本剤はジドブジンに比較しin vivoおよびin vitroにおける細胞毒性は弱い.本邦のHIV感染症治療ガイドラインで初回治療選択薬として推奨されている本剤は,1992年6月に1日2回投与のヴァイデックス錠およびドライシロップ剤の承認を取得し発売された.その後2001年3月には,1日1回投与のヴァイデックスECカプセル剤の承認を取得し発売したことにより,HIV/AIDS患者におけるヴァイデックスのアドヒアランス向上が期待できるようになった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2002-08-01
著者
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