内外および近遠心方向から6分類した臼歯部咬合小面の咀崎運動時の咬合接触
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概要
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目的: 生体機能に調和した咬合面形態の基準を求めるために, 咬合小面を6種類に細分類し, 咀嚼第4相付近における咬合接触状態を解析して, 各咬合小面の役割について検討することを目的とした.<BR>方法: 6自由度顎運動測定器を用いて, 14名の被験者についてガム咀嚼時の顎運動を測定し, これと歯列模型の三次元形態計測データとを座標系の変換によって重ね合わせ, 上下顎歯列の位置関係を時系列で解析した. 主機能部位側臼歯部の咬合小面を法線ベクトルの成分などによって面の向く内外的 (A, B, C), 前後的 (M, D) 方向などからAM, AD, BM, BD, CM, CDの6種に細分類し, 阻嚼第4相付近の動的咬合接触状態を解析した.<BR>結果: 咀嚼の第4相付近ではAM, またはCM咬合小面が対顎咬合面との距離が小さく, 同時に咀嚼運動路との角度差も小さい傾向にあり, これらの咬合小面が食品を介在させながらも運動を誘導していることが示された. なかでも, 下顎のAM咬合小面が対顎咬合面とより近接し, 誘導に大きく関与していることが推察された. 終末位に至る咀嚼運動路のB咬合小面に対する入射角度はBD咬合小面が約30°で, BM咬合小面に対する約40°に比べて小さく, BD咬合小面が食品の圧搾に重要な役割を果たしていることが示唆された.<BR>結論: 臼歯部咬合小面を細分類し, 各咬合小面の咀嚼における役割を示した.
- 2002-04-10