レボホリナート・フルオロウラシル療法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
レボホリナート(アイソボリン®)·フルオロウラシル療法(l-LV·5FU療法)は, biochemical modulationの理論に基づく治療法であり欧米においてはロイコボリン·5FU療法(dl-LV·5FU療法)として結腸·直腸癌を中心にその臨床応用が活発に行われ, 現在では標準治療の一つと位置付けられている. 国内においてはd-LVが生理活性の無いことから生理活性を有するl-LVを用いて臨床試験を実施し, 欧米の成績に匹敵する効果が得られ1999年8月にレボホリナート·フルオロウラシル療法として胃癌(手術不能または再発), 結腸·直腸癌の効能で承認された. 用法·用量はRoswell Park Memorial Institute (RPMI)のPetrelli, N.らが開発したweekly法が国内で承認されている. 近年, LV·5FU療法とイリノテカン(CPT-11)あるいはオキサリプラチンを併用する療法の有用性が確認されつつあるが, 日本人を対象としたこれらの臨床試験成績はまだ無く, 日常診療において実施できる状況ではない. l-LV·5FU療法の臨床試験における有害事象は白血球減少と下痢が主なものであり, grade3以上の重篤なものも認められている. そのため, 本療法実施にあたっては適切な症例を選択し副作用症状や臨床検査値を投与毎にモニターし, 異常が認められた場合には休薬または減量をするなどの対処が重要である.
- 2001-09-01
著者
関連論文
- 50 肺小細胞癌の長期生存に関する臨床的検討
- 43 癌化学療法に伴う嘔吐対策とQuality of Life
- 化学療法 (第14回日本癌治療学会総会特別演題) -- (主要臓器進行癌の治療成績の向上策(シンポジウム))
- 小細胞性未分化癌について : 1年以上生存例の臨床的検討 : 中部支部 : 第31回日本肺癌学会中部支部会
- 性別および喫煙歴から見た肺癌 : 特に組織型との関連を中心として : 中部支部 : 第31回日本肺癌学会中部支部会
- 多施設共同研究によるl-Leucovorin・5-FU併用療法の進行胃癌に対する後期第II相試験
- 当院で経験した肺癌との重複癌 :23例の検討 : 肺癌との重複癌I
- 進行肺癌に対するMETT療法と放射線同時併用療法の成績、特に延命効果と死因の検討
- II-66.蜂窩状軟部肉腫1症例の細胞像(一般講演, 第16回日本臨床細胞学会総会講演要旨)
- レボホリナート・フルオロウラシル療法
- 進行胃癌 (癌化学療法) -- (癌化学療法の効果)
- 固形癌の化学療法による延命効果 (癌の化学療法)
- 42.癌細胞の細胞回転(示説カンファレンス, 第15回日本臨床細胞学会総会講演要旨)
- ADH産生肺癌の1例 : 中部支部 : 第19回中部支部会
- タイトル無し