ハイスループットスクリーニングにおけるアッセイ
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概要
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近年, 主に製薬企業を中心にしてHTS(ハイスループットスクリーニング)が導入·実施されている. HTSは新しいリード化合物を発見することが目的であり, オートメーション等の技術を最大限に利用したスクリーニングシステムである. 数十万検体にもおよぶ多数の検体を高速にスクリーニングするためには, 化合物管理, アッセイ技術, オートメーションやデータ処理等のあらゆる過程で極めて高い効率を達成する必要がある. 本総説では, その中でもHTSにおけるアセッイ系に関連した内容について記載する. HTSでは効率的にスクリーニングするために, 96穴マイクロプレートを用いていたが, スピード·コスト等の点からアセッイ系のミニチュア化が進められ, 最近では384穴, 1536穴プレートといった高密度プレートを使用するようになってきた. 同時に, ホモジーニアスまたはミックス&メジャーと呼ばれるアッセイ技術が開発されてきた. 必要な試薬類を混合するだけで測定が可能になるアセッイ手法である. ラジオアイソトープを利用したアッセイ系ではSPAやCytostar-Tといった方法が, 蛍光検出を応用したものでは, 時間分解蛍光法(HTRF, LANCE, アルファスクリーン)や偏光蛍光法(FP)等がある. また, 細胞を使ったアッセイ系では, 細胞増殖アッセイやリポータージーンアッセイが高密度プレートでのHTSが可能であり, 更に細胞内Ca2+濃度変化を指標にしたHTSも可能である. HTSでは多数の検体を処理する必要から, 1検体への評価は簡便にならざるを得ない. それ故, 質の高いアッセイ系を構築する必要がある. アッセイ系の質的評価法として, 最近良く使われるZ’-ファクターについても紹介する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2001-08-01
著者
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