大腸微小腫瘍の形態と客観的異型度およびAg-NORsとの関連
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概要
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大腸微小腫瘍の形態によるmalignant potentialの差異を検討する目的で,5mm以下の隆起型腫瘍(Is34病変)および表面型腫瘍(IIa64病変,IIa+IIc21病変,IIc15病変)について,画像解析による客観的異型度とargyrophilic nucleolar organizer resions(Ag-NORs)scoreを用いた増殖能を測定した.核・腺管係数はIsに対し表面型各型で有意に高く(p<0.01),また表面型の中でもIIcが有意に高かった(p<0.05).乱れ係数は逆にIsがIIcに対し有意に高かった(p<0.05).Ag-NORs scoreは腺底部側で表面型各型がIsに比べ有意に高く(p<0.05, p<0.01, p<0.01),表面型の中でもIIa+IIc,IIcがIIaよりも高い傾向が認められた.この結果,構造異型は弱くても,細胞異型および粘膜深層での増殖能が高いことから,隆起型腫瘍より表面型が,さらに表面型の中でもIIcは,malignantpotentialが高い可能性が示唆された.
- 日本大腸肛門病学会の論文