リン酸形燃料電池における発電中のセル内リン酸量分布
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概要
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リン酸形燃料電池は,発電により蒸発するリン酸を補う余剰リン酸をセル内に貯蔵している.発電中の余剰リン酸のセル内での分布を検討するため,小型セルを発電停止後ただちに各構成部材に解体してリン酸量を測定した.その結果,余剰リン酸は,発電中に燃料極側へ偏在していることが確認された.この現象は余剰リン酸のリン酸イオンが空気極から燃料極へ移動することによりイオン電流の一部を分担しているためと推定される.ただし,この余剰リン酸の偏在により空気極,燃料極の各触媒層,マトリックスの機能は大きな影響を受けないと考えられる・しかし,このような余剰リン酸の発電中の燃料極側への偏在を前提に余剰リン酸量の設計,セル構成部材の毛細管力の設計が必要であることがわかった.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2001-03-20