話速変換装置による話速遅延の高齢難聴者に対する効果
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概要
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NHKと東京医科大学耳鼻咽喉科学教室で開発した 「高品質リアルタイム話速変換装置」 は, 話声の品質を損なうことなく, 緩徐な話速に変換できる. この装置で処理した日本語音声が, 高齢難聴者にとって聴き取り易いものかどうかについて検討した. 日常会話短文および無意味短文を, 原音と延長処理した音声で, 高齢難聴者に聴かせたところ, この装置で処理した文の正答率は, 有意味文, 無意味文とも, 原音に比べて有意に高かった. さらに, 同内容の文を話速を換えて再度聴かせて検討したところ, 延長処理した文の方が印象に残る度合いが大きく, 理解されやすいことが示唆された. 本装置は高齢難聴者の補聴システムとして期待できるものである.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 1996-03-20