老年者における聴覚の研究
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概要
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聴こえに関する加齢の影響を検討するために, 高音漸傾型オージオグラムを持つ65歳以上の老年者を5歳ごとに区分し, 純音聴力および語音弁別能, SISIスコア, 方向感機能, SSBクリッピング語音明瞭度の各種検査値を求め, 対照の若年内耳性難聴群の尺度に照合して陽性率を算出した. その結果, 老年者の場合, 内耳の機能低下による純音可聴域値の上昇と, リクルートメント現象の発生による語音聴取への影響は70歳代までは横ばいであるが, 後迷路障害による影響は加齢により着実に進行する. そして, 80歳以上になると内耳障害と後迷路障害はさらに増大し, 語音弁別能は両者により高度に低下するものと推論した.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 1995-09-20