β受容体脱感作ラット心臓標本における新規フォルスコリン誘導体NKH477の有効性
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概要
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ラットにノルアドレナリン(NA)を長期間持続投与して作製したβ受容体脱感作モデルに対する(+)-(3<SUP>R</SUP>,4a<SUP>R</SUP>,5<SUP>S</SUP>,6<SUP>S</SUP>,6a<SUP>S</SUP>,1O<SUP>S</SUP>,1Oa<SUP>R</SUP>,1Ob<SUP>S</SUP>)-5-acetoxy-6-(3-dimethylaminopropionyloxy)-dodecahydro-10, 1Ob-dihydroxy-3,4a,7,7,10a-pentamethyl-3-vinyl-1<SUP>H</SUP>-naphtho[2,1-<SUP>b</SUP>]pyran-1-one monohydro-chloride(NKH477)の心臓作用を,非選択的β作動薬であるイソプロテレノール(ISO)およびホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬である3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)の作用と比較検討した.NA(400μg/kg/hr,s.c.)を7日間持続投与したラット心臓において,β受容体数の減少およびPDE活性の増加が認められた.NAを7日間持続投与後の左心房標本および右心室標本における変力作用並びに右心房標本における変時作用を測定した.対照には無処置のラット心房筋および心室筋を用いた.NKH477,ISOおよびIBMXは左心房標本において濃度依存的な陽性変力作用を示した.ISOおよびIBMXの陽性変力作用は正常ラットに比べ脱感作ラットで減弱したが,NKH477の陽性変力作用は影響を受けなかった.右心房標本において各薬物は濃度依存的な陽性変時作用を示したが,いずれの薬物も正常ラットと脱感作ラットの心臓で有意差を認めなかった.右心室標本においてNKH477およびISOは濃度依存的な陽性変力作用を示した.ISOの作用は脱感作ラット心臓では減弱したが,NKH477の作用は変化しなかった.これらの結果から,NKH477の陽性変力作用はβ作動薬やPDE阻害薬の効果が減弱するようなβ受容体脱感作状態の心臓においても減弱せず,NKH477は少なくともβ受容体脱感作を伴う心不全に対し,β作動薬あるいはPDE阻害薬よりも優れた有効性を示すと考えられる.
- 1996-07-01
著者
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細野 誠
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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藤田 晃
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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崎玉 克彦
日本化薬(株)創薬本部
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石塚 修
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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神戸 悦子
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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野口 満枝
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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崎玉 克彦
日本化薬(株)医療事業本部創薬本部
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