良性発作性頭位眩暈症の病巣局在に関する研究-眼振の三次元解析から-
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概要
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コンピュータ画像認識システムを用いて眼球運動の三次元解析を行い, 良性発作性頭位眩暈症の病巣局在について検討した. 良性発作性頭位眩暈症例の頭位変換眼振の最大緩徐相速度の垂直成分と回旋成分の比率を比較した結果, 回旋成分の方が垂直成分よりも有意に大きかった. また, 振子様回転検査で健常者および, 一側内耳機能廃絶例に垂直半規管刺激を加え生じた眼球運動の振幅の垂直成分と回旋成分の比率を比較した結果, 垂直成分の方が回旋成分よりも大きかった. 以上の結果から, 良性発作頭位眩暈症例の病巣が垂直半規管, 特に後半規管のみに限局しているとは考えにくいと思われた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 1997-02-20