内耳圧及び脳脊髄圧変化が耳小骨振動に及ぼす影響に関する実験的研究-モルモットにおける検討-
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概要
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内耳圧や脳脊髄圧変化に伴って生ずる低音障害型難聴の成因は内耳感覚器と内耳伝音系の障害によるとされているが, 耳小骨振動様式の変化も関与している可能性がある. 本実験ではモルモットの内耳圧や脳脊髄圧を変化させて鼓膜臍とキヌタ骨の振動をレーザードップラー振動速度計で測定し, 圧変化の影響を検討した. その結果, 内耳に陽圧あるいは陰圧を負荷したところ鼓膜臍の振動は主に低音域で抑制された. また脳脊髄圧を上昇させたところ, 鼓膜臍とキヌタ骨の振動変化は低音域でほぼ同程度であった. 以上より内耳圧や脳脊髄圧の変化は耳小骨振動特性を変化させ中耳伝音系に影響を与えうることを明らかにした.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 1997-02-20
著者
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