GBV-C/HGVの全塩基配列の決定と陽性例の臨床的背景の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肝疾患95例のGBV-C/HGVRNAをNS3領域, 5’非翻訳領域 (5’NCR), 3’非翻訳領域 (3’NCR) の3種の異なるプライマーを用いてRT-PCR法により検出した. 3’NCRのプライマーを用いた方法の検出率が8.4%で最も高かった. 6例についてGBV-C/HGVの全塩基配列を決定した. 塩基配列の保存性は3’NCR, 5’NCR, NS5a領域の順に高かった. E2領域を含め, 超可変領域を認めなかった. 劇症肝炎例に多いと報告されたNS3領域のアミノ酸変異を劇症肝炎ではない6例全例に認めた. C型肝硬変および肝癌の疾患別GBV-C/HGVRNAの陽性率はC型慢性肝炎よりも有意に高かった (P<0.05, 0.01). また, 臨床検査値の比較ではC型慢性肝炎・肝硬変例におけるGBV-C/HGV陽性例は陰性例よりALTのみが有意に高かった. GBV-C/HGV感染は肝障害に影響している可能性が示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 1999-07-25