ラットおよびイヌ膵におけるnitric oxide synthase (NOS)含有構造 -NADPH-diaphorase組織科学とnNOS免疫組織化学による検索-
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概要
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膵でのnitric oxide(NO)の作用を解明するためにNADPH-diaphorase(NADPH-d)活性および抗neuronal typeのNOS(nNOS)血清を用いた免疫活性の局在について,ラット・イヌ膵について検索した.両種で血管内皮や膵内神経細胞・神経線維にNADPH-d活性およびnNOS免疫活性を認めた.ラットでは膵腺房に比してランゲルハンス氏島(ラ氏島)へのNADPH-d陽性神経の分布が豊富であり,イヌではラ氏島にはNADPH-d陽性神経はほとんど認めなかった.両種とも膵管や血管の周囲にNADPH-d陽性神経が多数分布していたが,特にイヌの膵管では著明であった.抗nNOS血清を用いた免疫組織化学法とNADPH-d組織化学法の同一切片における二重染色で,両者は膵の神経要素で完全に一致した.膵内分泌細胞にも,非常に弱いながらNOS免疫活性を認めた.以上の結果は,ラットおよびイヌ膵では血管や膵管周囲の神経由来のNOにより膵内・外分泌機能が言周節されている可能性を示唆する.しかし,NADPH-d陽性・nNOS陽性神経分布の種差は,NOの膵内・外分泌調節作用にも種差があることも示唆している.
- 1995-08-05
著者
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