胃穹窿部静脈流瘤の臨床病理学的検討 - 特に胃壁内血管構築について -
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概要
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胃穹窿部静脈瘤(fundic varices:FV)18例を対象に,切除標本の静脈瘤血管よりゼラチン添加バリウムを注入し血管構築について検討を行った.FVの供血路と排出路の間に胃壁外での交通は認めず,排出路は胃壁外にでた時点では分枝することなく1本であった.FVを構成している血管は粘膜下層に存在し,粘膜固有層には静脈瘤血管は認めなかった.胃壁内でのFV構成血管の分枝形態によりFVを2群に分類した.胃壁内で分枝が少ないものをI型,多数の分枝を認めるものをII型とした.本研究ではI型が約78%で,II型が約22%であった.これらの結果はFVの診断,治療において十分に考慮されるべき所見と思われた.
- 財団法人 日本消化器病学会の論文
- 1997-02-05