雨氷発生日数の地域分布に関する統計的解析
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概要
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雨氷発生の気候学的な地域特性を調べるため, 長野県を解析対象地域として, 雨氷発生日の特定を行い, その年平均日数の地域分布を求めた.<BR>雨氷は, 過冷却の雨滴が地物などにあたり氷になる着氷現象の一種で, 上空暖気層 (気温0℃以上) で雪片が融解して雨滴となり, それが地表付近の寒気層で冷されて過冷却の雨滴 (気温0℃以下の降水) となり発生する (melting ice process).その他, 大気全層の気温が0℃以下の場合 (supercooled warm rain process) でも発生することがあるが, ここではmelting ice processのみを対象とした.<BR>高層資料から上空暖気層の有無を, AMeDAS資料から地表付近の寒気層と降水の有無を調べ, 二つの気象条件を満たす日を雨氷発生日と定義した.過去20冬季 (1979年11月〜1999年4月) について調べた結果, 雨氷の発生は3月に最も多く, 次いで12月に多いことがわかった.また, 最近6年間は雨氷発生日数が少ない傾向にある.<BR>次に, 地形因子値を用いた重回帰分析から, 年平均雨氷発生日数のメッシュマップを得た.その結果, 年平均雨氷発生日数は長野県中部と東部で多いことがわかった.特に標高との関係が強く, 山岳地域や高原地域で多くなる傾向が得られた.一方, 北部と南部の低標高地域では少ない傾向にある.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
- 2000-07-15
著者
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