ごみ焼却におけるHCl除去とダイオキシン排出量の抑制
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概要
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ごみ焼却炉内のHCl削減によってDXNsの発生を抑制する試みはこれまで行われていない。その原因は (1) 炉内で効率よくHC1を除去する技術がない。 (2) HCl濃度とDXNsの因果関係が不明確。の2点ではないかと考えられた。<BR>本論ではごみ焼却炉で生成する塩素化芳香族化合物の測定データを化学反応論的に解析して, DXNsの生成メカニズムを検証する中で, HCl濃度がDXNsの発生量に大きな影響があること, つまりDXNsの生成量に対するHClガス濃度指数が少なくとも1よりも大きいことを明らかにするとともに, 4〜5μmのHCl吸収剤 (重炭酸ソーダ等) を炉壁に設置した分散機を介して炉内に吹き込む簡便な方法で効率よく安価にHCl除去とDXNsの抑制が同時に実施でき, 従来法と併用することによってDXNs抑制の一層の改善が期待できること, また, 改善が難しい既設炉のDXNs抑制対策としても期待できることを述べた。しかし一方, ダイオキシンはHCl濃度と関係なく発生するとの実験データもあるので, この乖離の原因究明が今後の研究課題である。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
- 1999-01-30