対称化合物の不斉非対称化操作-特に不斉触媒による環状化合物の開環反応について
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概要
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同一の官能基を分子内に2個もつ対称性化合物の対称面によって分けられた部分はお互いに鏡像関係にある。その一方の官能基だけを選択的に変換して得られる生成物は非対称化合物となる。このような官能基変換においてキラル補助剤を関与させて, 対称面を持っアキラルな二官能分子からキラルな光学活性化合物を得る操作を「不斉非対称化, Asymmetric Desymmetrization」と呼んでいる。不斉非対称化操作は酵素反応の最も得意とする反応であったが, 最近では触媒を用いる有機合成の不斉反応でも優れた反応が見いだされている。この報告では対称環状化合物の不斉非対称化に焦点を当てて, 最近の論文の紹介および我々の研究を紹介したいと思う。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
- 1996-10-01
著者
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