誘電率を用いた混練度判定の可能性
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概要
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混練度と物性の相関を調べる研究の一環として, 混練時間とコンパウンドの誘電率の関係を検討した. 筆者らがかつて混練加工性判定指標につき報告した際のEPDM-FEF系レスピーのコンパウンドをブラベンダー•プラストグラフで作製し, シート状とした後インピーダンス•アナライザーによりキャパシタンスを測定し, 誘電率を計算した. 誘電率測定は導電率測定より再現性に優れ, 片対数目盛方眼紙にプロットした誘電率対混練時間曲線は導電率の場合のような明確な屈曲点を示す. 曲線は混練時間30秒のときに比べて10分では2分の1〜3分の1に減少する大きな変化を示す. いわゆる最小混練時間内でこの大きな変化は終わり, その後はゆっくりと変化する. この特性はゴム-カーボンブラック系の混練度の判断物性として適切であることを示す. この実験事実の理論的背景は明確ではなく今後の問題である. W/O型エマルジョンの実験に類似の現象が見いだされている点が注目される.
- 1995-03-15