肺真菌症との鑑別に苦慮した肺放線菌症の1例
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概要
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雑誌掲載版61歳男性.患者は咳出現で近医を受診,右上肺野の結節影から塵肺として加療中であった.右上肺野の浸潤影とツ反強陽性で肺結核を疑ったが,気管支鏡検査で有意所見はなかった.しかし浸潤影は徐々に増強し,血痰が出現して,今回,著者らの施設へ紹介入院となった.X線では右上葉の浸潤陰影と容積縮小を認め,気管支鏡下生検および透視下生検では炎症細胞と壊死組織のみであった.喀痰のグロコット染色では菌糸様物質が3回検出され,肺真菌症が疑われたため抗真菌剤を内服,外来にて経過観察とした.その後,β-Dグルカンが高値となり,X線で陰影の拡大,濃度上昇と空洞形成を認め再入院となった.CTでは右上葉に空洞を伴う膿瘍性変化と右S6領域への浸潤を認め,右上葉切除・中下葉部分切除を施行した.その結果,病理所見により空洞内壊死物質中に菌糸が放射状に増殖する放射菌の菌塊を認め肺放射菌症と診断された
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