有機物施用による土壌中窒素の動態と作物生育
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概要
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豚ぷん堆肥、牛ふん堆肥を施用し、堆肥の窒素無機化量と作物収量との関係を調査した。夏作デントコーンまたはキャベツでは、地力窒素が高く堆肥の窒素無機化量と収量との間には明かな傾向はみられなかった。しかし、冬作ホウレンソウでは、堆肥の窒素無機化量とホウレンソウ収量との相関は高かった。そのため、化成肥料のかなりの窒素量を堆肥で代替できる可能性がうかがえた。しかし、堆肥を化成肥料の一部として代替する場合、堆肥の窒素無機化量が施用全窒素量の20%程度にとどめるべきと思われた。跡地土壌の化学性は堆肥施用量が増大するにつれ、pHは上昇し、全炭素、全窒素、その他塩基類の含量も増加した。その傾向は牛ふん堆肥が豚ぷん堆肥より著しかった。土壌溶液中の硝酸態窒素、電気伝導度、カルシウム、マグネシウムは夏作、冬作とも堆肥施用により低下し、かなりの量の全窒素が流亡または作土の下に移動していた。
- 群馬県農業試験場の論文