水中直接誘導体化-ガスクロマトグラフ法による環境試料中のハロゲン化低級カルボン酸の微量分析法の開発とその応用
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概要
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環境中の有機汚染物質のうち,親水性の極性物質のモニタリング手法について研究した.親水性汚染物質の中で,農薬等として注目されるハロゲン化低級カルボン酸を対象として,機器分析に先だって不可欠な試料調整のための誘導体化法を新しく検討した.従来みられるような,単離後の非水溶媒中におけるカルボン酸の化学反応ではなく,水マトリックスの中での直接的な化学修飾の方法であり,希薄水溶液中でのカルボジイミドによる酸アミドへの変換を主体とした.カルボン酸と結合させるアミノ化合物としてアニリン誘導体を使用し,酸性条件下でジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて室温でアニリド誘導体に変換できた.この誘導体化反応は試料水に両試薬を加えると同時に,少量の抽出溶媒も添加して混合することによって進行させることができ,結果としてカルボン酸の直接誘導体化と生成誘導体の有機相への抽出が1段階で可能となった.以上に基づき,環境試料中のこれらのカルボン酸の新規で簡便な微量GC分析法を開発するとともに,実際にいくつかの環境分析に適用した.反応部位としてアミノ化合物などのN原子を使ってC-N結合を温和に形成させるカルボン酸の分析誘導体化は有用な方法と考えられる.
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