マイクロコンピュータによる桑園管理機の操向制御
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概要
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桑園管理機の自動操向を可能にする操向制御システムの開発を図るため,油圧駆動で走行し,マイコン制御により自動操向を行う実験機を考察・試作した。また,その性能についても検討し,次の結果を得た。1.本機の大きさは,全長1,400mm,全幅800mm,全高1,100mmの小型管理機程度で,四輪の乗用型である。2.本機の走行部は,前輪独立の油圧駆動方式で,定格6psのガソリンエンジンに直結された2連の可変容量形油圧ポンプにより2台の油圧モータを回転させ,その回転を1/5に減速後,左右の前輪を駆動する。3.本機のコントロール部は,手動またはマイコンにより各油圧ポンプのコントロール軸の操作角を最大±15°操作して走行及び操向の制御を行う。操向法は,PWS方式とした。4.マイコン制御による操向システムは,コントローラとして8ビットマイコン,RS232Cインターフェース,ステッピングモータドライバ,4相のステッピングモータ,ギヤ,カム等から構成した。5.走行速度は前進0~96cm/s(2,000rpm),後退0~99cm/s(2,000rpm)であり,無段変速が行えた。また,手動による操向も良好であった。6.油圧ポンプのコントロール軸はマイコンによって制御することができ,ほぼ制御命令どおりのカムの回転精度が得られた。7.本機のローリング角は,3.3°以下であった。
- 農林省蠶絲試驗場の論文