大学における「算数」の講義の構想に関する実践的研究
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概要
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21世紀の「知識基盤社会」時代を生き抜く豊かな算数・数学教育を実現していくためには,教師自身が算数・数学を「生み出す力」「活用する力」や算数・数学で「思考する力」「表現する力」を身に付けることが求められている.現在のところ大学における専門科目「算数」の講義内容・方法に標準的なものはなく,その中にあってもこのような力量形成を指向した専門科目「算数」の創意工夫が期待される.保育士,幼稚園・小学校教員の養成校として誕生した当該学科にあって,当研究は今求められている力量を目指す専門科目「算数」の講義内容・方法をどう構想し,どう具現化していったらよいかについて言及している.小学校の現場教師の知恵を結集して,KJ 法により数学的な立場と指導的な立場から柱となる課題を抽出し,講義の全体構成の中で抽出課題を解決するための具現化を試み,テキストを作成している.また,抽出課題と具現化の有効性と妥当性を検証するために,この作成したテキストを使って「算数」の講義を実施し,学生による授業評価を試みている.そして,教師自身の省察と授業評価結果の考察を通して,残された課題を明らかにしている.