総幸福の態度学的探究を展望する
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概要
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新自由主義経済のグローバル化が益々行き詰まりを見せる今日、ブータン王国の標語となる「国民総幸福(GNH)」が従来の経済指標である「国民総生産(GNP)」に代わるコンセプトとして有識層に持て囃され始めるなど、幸福的な生活の意味が再考される風潮が世界的に強まりつつある。しかし総幸福の計量化が図られる一方で、総幸福の社会的な構築に関わる民族学的な考察は体系化されているというには程遠く、どちらかというと個々の研究者の解釈に委ねられてきた所が大きい感がある。こうした現状を踏まえ、認識や言説よりも態度に訴えることで総幸福の具現化にもつながる新たな研究分野の開拓を促すのが、拙稿の主旨である。総幸福の実現は、従来の金銭的ないし物質的な豊かさにとって代わる「幸せ」のあり方を意識したり、「人間的な生き方」について議論してみたりするだけでは不十分である。それは例えば、「利潤の追求」という新保守体制がとる一種の強引な態度に別の態度を以て抗し、そうした体制が織りなす価値のマトリックスを打ち崩したり折り曲げたりする手段を創作することで初めて可能になると考えられる。筆者はそうした「価値体系の打ち崩しや折り曲げ」の地域的な実践を民族誌的な手法を用いた事例研究として集積し、そこに見出される共通の問題点を哲学していくことに「態度学」ないし「態度人類学」なる新たなレッテルを附し、分野としての比較文化的な手段の体系化を展望する。研究ノート
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