書評論文 小泉内閣後の日本政治を考える--飯尾潤『日本の統治構造』中公新書(2007)を手がかりにして
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
飯尾はその著書『日本の統治構造』において、日本の議院内閣制の歪みを正し、政治システムを本来の意味での議院内閣制にすべきだと主張する。特に、総選挙で有権者が政党、政策、首相候補を三点セットで選択できる政治体制を作ることを重視する。また、90年代以降の政治改革が進行し、それは小泉内閣のもとで一定の成果を生み、日本の政治は望ましい方向に向かっているとの見解を示す。しかし、小泉内閣後を見てみれば、齟齬を生み出しているケースが多々ある。そこで、本稿は、概要を評者の視点で要約した後、小泉内閣後の日本政治について、有権者の三つの選択(マニフェスト、政党、首相)、有権者自身の動向、及び参議院から多面的な考察を加え、現実は飯尾の理想像から遠ざかっていることを明らかにした。また、観点が相違する大山礼子著『日本の国会--審議する国会へ』を紹介し、両者の議論を比較検討した。
論文 | ランダム
- 2003年九州水害の社会学的研究(1)太宰府市における開発とコミュニティ
- 舞踊の表現能力の発達に関する研究 : 6. リズムについて
- 子宮頚癌に対する放射線療法とSizofiran(SPG)併用による抗腫瘍効果--電顕的ならびに細胞性免疫能の検討から
- 子宮頚癌放射線治療における局所温熱治療法の細胞および病理組織学的検討
- 子宮頚部腺癌の臨床病理学的検討--特に組織型と悪性度の関係について