明治・大正期の工場法制定と労務管理
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概要
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研究論文本稿は、日本で最初の労働法制である工場法について、歴史比較制度の視点から、工場法制定と労務管理について考察した。日本の工場法制定に関して、国際比較の視点からも言及した。工場法は、明治44年3月に日本の最初の労働者保護法として成立した。本稿では、工場法制定までの沿革について詳細に研究した。工場法は、児童就業の禁止、女子・年少者の就業時間制限・夜業禁止、業務上の事故に対する工場主の扶助義務などを規定したが、法施行後15年間は二組交替制による昼夜作業を認めて夜業禁止規定は骨ぬきにされるなど、不徹底な内容にとどまった。しかも施行期日は明示されず、同法が施行されたのは結局、公布から5年以上をも経た大正5年(1916)9月のことであった。その後、工場法は大正15年に改正施行され、3年の猶予を経て昭和4年7月に実行された。この改正工場法では、常に10人以上使用する工場に通用する、16歳未満の者および女子に対しては、労働時間1日11時間、午後10時より午前5時までの深夜業の禁止、毎月休日2日、休憩時間は就業6時間以上のもの1日30分、就業10時間以上のもの1日1時間を与えること、16歳未満女子の危険作業就業禁止、労働者に支払う賃金は通貨で毎月1回以上支払うこと、解雇は少なくとも14日前に予告すること、などを規定した。最後に、紡績業を中心として改正工場法制定と労務状況について逮べた。すなわち、改正工場法が制定された以前と以後の労務状況について紡績業を事例として研究した。昭和4年7月に実行された改正工場法が、紡績業の労務管理にどのような変化を与えたかに関して当時の実情・統計を検討しながら考察した。
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