発達の研究と社会的合意のあいだで--発達研究者はいかにして「養育性の教育」を語るか
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概要
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【要旨】本論では,陳(2011)の問題提起に応答するかたちで,養育性の教育に関するいくつかの論点抽出を試みた。第1に,現代日本が養育性不在の社会であるのか,それとも養育性不全の社会であるのか,その見立てによって取り得る教育的関与の方図が異なることを示唆した。第2に,本論では基本的に養育性不全の立場をとり,その主要な要因としての「乳児へのアクセシビリティ」を抽出した。ヒト乳児は系統発生的にも個体発生的にも,長期にわたる資源投資が不可欠な集団型子育てを必要としており,その基盤として家族を中心としつつも社会成員からの乳児へのアクセシビリティが担保される社会システムが求められる。第3に,児童期から青年期にかけての役割転換の困難性について指摘し,学校教育におけるいくつかのエピソードや実践例,学習指導要領の改訂に伴う今後の展望について論じた。
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