Epstein-Barr Virus陽性膿胸関連悪性リンパ腫の一例
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概要
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症例は81歳男性.肺結核の既往あり陳旧性結核性胸膜炎との診断で近医にて経過観察されていた.2010年12月下旬より咳嗽・胸部不快感・食欲不振が出現し,2011年1月7日近医を受診した.胸部単純写真にて浸潤影を認め肺炎が疑われ当院に紹介入院した.胸腹部造影CTにて右胸腔内に巨大な空洞性病変を認め,薄く造影される壁は不整な結節状に肥厚し内腔に液体貯留を認めた.腫瘤は空洞壁に沿って認められ,多発膿瘍・転移性腫瘍・悪性胸膜中皮腫順発性肺癌などが考えられた.組織学的検索などの精査を実施しっっ肺炎喉胸の合併を考え抗生剤投与を施行していたが全身状態悪化にて死亡した.死亡後,病理解剖を施行し膿胸関連悪性リンパ腫と診断された.組織学的には核内にEBER(EBV encoded small RNAs)陽性所見を伴うびまん性大型B細胞性リンパ腫の所見を示しており,EBウイルスの感染を確認できたことより発症にEBウイルスが関与した典型的な一例と考えられた.経過が長い慢性膿胸の存在する患者に胸部不快感,肺炎様症状,炎症反応,胸壁腫瘤が認められる場合,膿胸関連悪性リンパ腫の存在を念頭に入れる必要があると考えられ若干の文献的考察を加えて報告する.
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