選言主義,幻覚,区別不可能性--Fishの提案
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概要
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多くの哲学者は,素朴実在論に反対してきた。たとえば,幻覚からの議論によれば,素朴実在論は幻覚の可能性と矛盾し,それは偽である。しかし,近年,素朴実在論は幻覚からの議論から守られうると議論する哲学者,たとえば,選言主義者が出てきた。Fish もその一人である。彼は,選言主義をとり,素朴実在論が幻覚の可能性と矛盾しないと主張している。彼によれば,その区別不可能性にもかかわらず,真正な知覚に含まれる心的状態は幻覚的状態とは異なる種類のものであり,素朴実在論が幻覚の場合に偽だとしても,その結論を真正な知覚の場合に一般化する必要はない。ただし,そのときは,幻覚の特徴づけが必要であるとし,彼は,影響に基づいて区別不可能性を考えることを提案するのである。本論文では,このFish の幻覚の特徴づけの妥当性について論じる。そのためにまず,『知覚,幻覚,錯覚』等での彼の考えを概観する。次に,「幻覚についての認識的な考え方」でのSiegel の反論を整理する。それから,Siegel に対するFish の反論を整理する。そして最後に,Fishの幻覚についての考えがかなり妥当なものである一方でそれには問題もあると論じる。
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