FFCセラミック水による植物アピラーゼの活性化作用
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概要
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本報は、FFCセラミックスTM((株)エフエフシー・ジャパン)で調製したFFCセラミック水(FFC水)の植物アピラーゼ(EC3.6.1.5)の活性に及ぼす直接的な作用について調べたものである。FFC水はアピラーゼがもつATP加水分解活性を促進し、その作用は反応液への添加量に依存した。先の無機元素分析結果から、FFC水に含まれる主要な塩類はCa(2+)であることが判明している。そこで、Ca(2+)キレート剤EGTAを反応液へ加え、その影響について調べたところ、FFC水による活性化作用は消失することが明らかとなった。また、FFC水と類似の作用は、硫酸カルシウム、塩化カルシウムまたは硝酸カルシウムの添加で認められ、陰イオンの種類によって明確な違いはなかった。これらの結果から、FFC水が植物アピラーゼに及ぼす活性化作用の一因は、セラミックスから遊離するCa(2+)に依存しているものと推察された。一方、アピラーゼ活性を指標として、使用済のセラミックスから調製したFFC水の効果について検討したところ、未使用からの水と比べて、カルシウム濃度ならびに活性化作用の顕著な低下が認められた。このことは、継続的な使用によってセラミックスから遊離する塩類、特にカルシウムの溶出量が大きく変わることを意味し、アピラーゼを用いた本検定が、FFC水の効果を定量的に確かめる方法の一つとして利用できると考えられた。以上、これらの結果を総合して、FFC水の植物酵素への直接的作用、ならびに植物への施用によって効果が現れる耐病性獲得作用との関連について考察した。
- 岡山大學農學部の論文
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