農業構造の変化と大規模畑作経営の展開条件--作付け構成・輪作体系を中心に (畑作経営の展開と技術開発方向--畑作4品を中心として)

概要

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今日まで道東十勝畑作地域では狭隘な地域労働市場の下、離村離農と専業的担い手による跡地取得＝経営規模拡大が進んできた。そこでは1つに政府管掌作物（加工用・原料用作物）＝てん菜、ばれいしょ、小麦、さらに連作に弱い豆類対応も含め、4作物基幹による大規模輪作体系が1980年代初頭に確立され、高品質の畑作物生産も実現されてきた。2つに、大型機械化体系の普及により、普通畑作物の多くは生産が低コスト化、かつ省力化されてきている。また、1980年代後半以降の野菜作導入により、収益性は改善されて自家農業の維持も安定性を増している。しかし、1990年代以降では後継者不在農家の高齢化、リタイアを含めて全体としては農地需給構造の緩和＝農地の供給が進み、再び規模拡大が進行している。本報告では十勝畑作地域を対象として、農業構造の変化、規模拡大の動向を解析するとともに、先進的・大規模経営の作付け構成、輪作体系の実状と技術ニーズを把握し、技術開発の方向性を探ることを目的とする。
北海道農業研究センター総合研究部の論文