情報化社会によるマッチング・ビジネスの展開と薄れ行く企業境界
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概要
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情報技術の飛躍的な発達により、あらゆる情報がデジタル化されるとともに情報の統合化が行われ、オープン・ネットワーク化の影響とともに企業を取り巻く環境は大きく変容し,いつでも,どこでも,何度でも情報にアクセスすることができる情報化社会が到来している。このような情報化社会の進展では,企業はひとつの明確な単体としての活動だけでなく,持株会社に見られるような複合企業形態,マッチング・ビジネスに見られるような共同運営方式,あるいはシステムの共同開発や運用に見られるような情報システムの共同利用においても,ひとつの企業の枠組みを超えた企業の経営戦略が見られる。一方,コーポレートガバナンスの側面で企業を捉えた場合に,持株会社に対する統治はどのグループ企業にまで影響が及ぶのか,グループ内の特定企業に対する統治はどの範囲のグループ企業に対する統制力までがひとつの企業に対する統治の対象となるのかということが曖昧になっている。また,情報処理の側面で捉えた場合,顧客に提供されるさまざまな企業の情報が統合化されることによって,情報システムが提供するサービスはどの企業が提供しているのか,どの範囲の情報システムのサービスがひとつの企業が提供しているのかといったことが曖昧になっている。いずれの場合においても,利用者にとっては各企業の組織形態,あるいはサービスを意識させないといった企業境界が薄れて行くという変化をもたらしているのである。
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