Capnobotryella renisporaの分生子形成様式と分子系統学的位置付け
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概要
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カナダ・アルバータ州のピート湿原で採取したSphagnum fuscum葉上に形成された黒色小菌核から、糸状菌(UAMH9870)を分離した。本菌のrDNA IS部位の塩基配列を調べたところ、Capnoboryella renisporaのex-ype菌株のそれと一致した。しかし、このex-ype菌株については、ACCとCBSにおける保存株間でrDNA SSU塩基配列が顕著に異なるなどの不明な点が見出された。また、UAMH9870は、C. renisporaの最も重要な特徴である2細胞、腎臓形の出芽型分生子を形成しないため、確定的な同定が困難であった。そこで、UAMH 9870とC. renispora 3菌株を寒天培地上で比較検討したところ、UAMH9870は出芽型分生子の形成以外の形質においてC. renisporaのex-ype菌株(CBS 214.90)とほぼ一致したので、UAMH9870をC. renisporaの出芽型分生子欠損株と同定した。なお、本研究の結果、C. renisporaの出芽型分生子は、同一locusから複数、連続的に形成されること、内生胞子(endoconidia)が菌核構成細胞内に形成されることなどの新知見が得られた。
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