スギ黒心材の有効利用に関する研究
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概要
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スギ黒心材の有効利用を図るため、黒心材の強度性能の調査や、簡便な心材色の改善方怯の検討を行なった。得られた結果は次のとおりである。 1.実大心持ち柱材において、心材明度(L*)と曲げヤング係数、曲げ強度との間には、有意な関係は認められず、ボタン材などの傷害のあるもの以外の黒心材については、強度的に問題があるものではないことが明らかとなった。 2.同一林分における、黒心材と赤心材の中目丸太から製材したひき板(ラミナ)の動的ヤング係数を比較した結果、ほとんど差は認められなかった。また、赤心材と黒心材から、それそれに作成した集成材においても同等の強度性能を示した。 3.素材の天然乾燥における黒心材の心材色の変化について検討した結果、8ヵ月後には、心材明度が上昇し、通常の心材色に近づく傾向が認められた。 4.黒心材を乾燥後、材表面を切削した時の心材明度は、乾燥だけを行ったものに比較して大きく向上し、黒色が目立たない程度にまで改善されることがわかった。 5.赤心材と黒心材から得られた板材(35mm厚)を、同一の乾燥スケジュールで人工乾燥した結果、乾燥後の含水率は、いずれも比較的均一であった。黒心材は、心材含水率が高いため、心持ち柱材などでは乾燥に長期間を要する場合があるが、小断面材に加工した場合では、乾燥期間の短縮化が図られる。
- 福島県林業研究センターの論文
- 2001-12-00
著者
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