本業がジリ貧に陥った企業の経営者は、「何とか新しい食い扶持を」と考えがちだが、拙速な業種転換や新規事業への進出は、かえって傷口を広げることになりかねない。業績回復への焦りが、リスクに対する正常な判断力を鈍らせるからだ。北陸地方にある老舗バットメーカーの三代目経営者はまさにその罠にはまり、赤字を膨らませてしまった。