貝類の呈味成分について : クロマトグラフィーによる有機酸の定量
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概要
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貝類の呈味成分について基礎的知見を得る端緒として, 市販貝類のあさり, かき, はまぐり, ばていら, とこぶし, ほたて貝, あかがい, しじみを選び, 試料を常法に従い一般成分を分析した結果, 貝類は水分含量が多く固形物が比較的少ない。粗蛋白含有量は8種類の試料ではばていら, とこぶし, ほたて貝, あかがいに多く, かきに粗脂肪, グリコーゲンがやゝ多く含有された。それぞれの貝類について, シリカゲルクロマトグラフィーにより有機酸を分離定量した結果, コハク酸, リンゴ酸, クエン酸と想定されるものを検出定量した。ただし, しじみにはクエン酸が検出されなかった。コハク酸含有量はあさり, かき, しじみに比較的多く, 次いではまぐり, ばていらであり, あかがい, ほたて貝, とこぶしには少なかった。同時にあさり, かき, あかがい, しじみ, ほたて貝についてガスクロマトグラフィーを試み, コハク酸, 乳酸を分離同定した。フマール酸はほたて貝貝柱に検出されず, リンゴ酸はあさり, しじみに分離されなかった。マロン酸があさり, かき, ほたて貝のひもに, アジピン酸があさりに, アコニット酸がほたて貝のひもに分離され, クエン酸はかきのみに分離されたが, コハク酸以外はごく微量であり定量できなかった。コハク酸含有量は両クロマトグラフィーによりほゞ近似した値が得られ, 貝類の有機酸の大部分はコハク酸であるが, 貝の種類によりその含有量にかなりの差がある事が認められた。
- 1983-03-31
論文 | ランダム
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