Al/Li_2B_4O_7構造における縦波型リーキー波の伝搬特性
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概要
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近年の移動体通信システムの高周波化に伴って、位相速度の速いSAWデバイス用基板が望まれている。そこで、筆者らは、SAWデバイスのさらなる高周波化を目的に、従来知られているリーキー波の理論をバルク波の"速い横波"より速い速度領域に拡張させたところ、四ほう酸リチウム(Li_2B_4O_7;LBO)基板上に、従来知られていないモードが存在することを明らかにした。このモードは、横波に対応した2種類のバルク波成分を基板内部に放射しながら、基板表面を縦波と電磁波を主成分として5000〜7500m/sの位相速度で伝搬するリーキー波である。また、(011)面付近では、位相速度が約6700m/sと速いだけでなく、その他の伝搬特性も良好であるため、高周波SAWデバイス用基板として実用性が高いことが分かっている。我々は、このリーキー波をその変位成分解析から、縦波型リーキー波(longitudinal leaky surface wave)と呼んでいる。ところで、実際のデバイスでは、基板表面にAlなどからなる電極が必要となるが、金属膜厚によってSAWの伝搬特性は大きく変化する。特に、LBOのような密度の小さい材料(ρ=2439kg/・)においては、その効果は顕著と考えられる。しかしながら、縦波型リーキー波におけるAl膜の影響に関する検討は十分に行われていない。そこで、本報告では、Al/LBO構造における縦波型リーキー波に対するAl膜厚依存性を実験的および理論的に検討した結果について述べる。
- 電子情報通信学会の論文
- 1994-09-26
著者
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