慶洲を中心とせる新羅時代石塔の綜合的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文は著者の學位請求論文「朝鮮建築史論特に慶州を中心とせる新羅時代佛教建築に就て」の第二編石塔論第六章結論を成すものであつて、既に發表した慶州を中心とせる新羅時代石塔七十五基に亘るものの細論に基き本論に於て綜合し結論を與へたものである。本論文は五節に分れ、第一節序論に次ぎ、第二節高度論あり、各層石塔別に其の高度を比較し、各層共に慶州郡内の石塔は高度に於いて他郡石塔を抜くもの多きを明にし、更に塔の高度と佛寺規模の大小との關係、双塔の場合の其の間隔と高度との關係を求めた。第三節を平面論とし、各層石塔別に下成基壇の平面の大小を比較し、其の高度や佛寺規模の大小との關係、双塔の場合の其の間隔と高度との關係を求めた。第四節を比例論とし、新羅塔特有の共通比例のある所以を明にし、更に之を實證すべく具體論に入り、例を三層並びに五層石塔に採り、數多の石塔の各部比例を平均し、更に下成基壇を1としたる場合の上記平均比例を聯立的に求めたる結果、何れも比較的簡單なる比を成す事を明にし、以て新羅塔形體様成の基則を數値的に解決し、續いて、之に據る標準型石塔形を作圖し、作圖上に起る石塔の幾何學的解析を行ひ之に依り亦以上の解決を補足した。尚、石塔細部の比較にも多少論及して居る。第五節を様式論とし、様式上一般型、變型、特殊型の三型に分ち、後二者に關し各部の特徴を基準とする數種を分ち、其の代表例並に特徴を細説し、更に稿を改めて相輪を研究し、之を二種に大別し、其の各部様式を畫して説き、續いて、新羅石塔の源流に就いて研究し、之を支那南北朝代並びに唐代の木塔並びに摶石塔にありとし、最後に新羅時代石塔の特性と其の發達及び影響の項下に、新羅時代石塔の支那塔と根本的に異る特性ある點を明にし、特に著しく木塔的型態を初期建造塔に保有し、時代の推移に伴ひ漸次之を石塔としての一般形に進化せしめて新羅中期景徳王を前後する時代に建造せられたる最も發達せる石塔形式に及び、以後漸次衰微堕落に向ひ新羅末期の造塔を成すも、高麗時代に入り之を受け更に複雑なる意匠形式に向つた事を明にして居る。
- 1934-01-05
論文 | ランダム
- 高齢者は若年者の職を本当に奪っているのか? (第2の就活 70歳まで働く!) -- (多様化するセカンドキャリア)
- 国文法を楽しく学ぶための一試案 : 動詞の活用の種類と活用形の指導を例に
- まだ見ぬ鈔本 『論語義疏』 (一)
- 父系の指・母系の唇 : 松本清張の原形質をもとめて
- 国立大学法人法コンメンタール(48)附則 第七条、第八条、第九条