生物発光を用いた高感度免疫測定装置BLEIA®-1200によるHBs抗原測定の有用性
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概要
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高感度検出が可能となる生物発光を用いた免疫測定装置BLEIA®-1200と専用の定量試薬BLEIA®'栄研'HBs抗原が開発された.今回,この高感度HBs抗原測定系の基礎的検討および臨床検体を用いてその有用性を検討した.検討の結果,検出限界は0.005 IU/mlと従来の市販定量試薬より6~10倍高感度であり,また良好な希釈直線性を示した.化学発光免疫測定法(CLIA)との相関性については,r=0.983と良好で,治療経過例での検討でも並行した数値の推移を示した.急性B型肝炎症例においては,CLIAが陰性化した後もHBV-DNAと同じ期間陽性となった.また,CLIA陰性の非B型肝炎80例中1例で乖離が認められたが,HBc抗体が陽性であったことから既往感染例であり,この乖離は試薬間の感度差に起因すると考えられた.以上の検討結果から,本試薬は従来の測定系に比して6~10倍高感度の検出能を有し,HBV感染のスクリーニング,HBV感染初期の早期診断,de novo肝炎でのHBs抗原の早期検出に有用である可能性が示唆された.
- 一般社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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長岡 進矢
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター消化器内科
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阿比留 正剛
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター消化器内科
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小森 敦正
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター消化器内科
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八橋 弘
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター消化器内科
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裵 成寛
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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中村 実可
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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釘山 有希
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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佐々木 龍
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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戸次 鎮宗
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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橋元 悟
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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大谷 正史
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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佐伯 哲
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
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峰川 貴之
栄研化学株式会社
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神山 道信
栄研化学株式会社
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大熊 博
栄研化学株式会社
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