急性期血液浄化療法導入を予測する指標としての尿中NGAL (neutrophil gelatinase-associated lipocalin) の有用性
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概要
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【背景】従来, 急性腎障害 (AKI) は血清Crの上昇で判断されてきたが, AKI発症の早期診断や治療方針決定には不向きである. 尿中NGALはAKIの早期診断に有用であるとされており, 持続的血液濾過透析 (CHDF) 導入の予測因子となりそうだが, その有用性は明らかでない. 【目的】尿中NGALの急性期血液浄化療法導入を予測するマーカーとしての有用性を検討する. 【方法】ケースコントロール研究. 平成23年8月から平成24年6月末までにICUに入室し, 尿中NGALが測定できた111名を対象とした. CHDFを施行していた34名 (CHDF施行群) と, していなかった77名 (CHDF非施行群) で尿中NGAL値を比較検討した. 【結果】ICU入室時の尿中NGALはCHDF施行群2,880±802ng/mL, CHDF非施行群239±124ng/mLとCHDF施行群で著明高値であった. ICU入室時の尿中NGAL 76ng/mLをカットオフ値としてCHDFの有無をみると, 感度は97.1%と良好であったが, 特異度は77.9%と低くなった. 入院中の最大尿中NGAL 500ng/mLをカットオフ値としてCHDFの有無をみた時, 感度88.2%, 特異度89.6%と強い関連を示した. 【考察】尿中NGALは, AKI発症の早期診断マーカーとして, CHDF導入を判断する一助になる可能性を持つ.
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一般社団法人 日本透析医学会 | 論文
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