小児におけるリアルタイム3D心エコーを用いた左房解析の有用性
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概要
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背景:成人領域では左房容積が左室拡張能障害や心不全の予後予測因子として認識され,3Dエコーを用いた左房計測が広まりつつある.目的:小児におけるリアルタイム3D心エコーを用いた左房解析の有用性を検討する.対象と方法:心内形態異常を伴わない小児52例(男児23例,平均年齢5.4±3.7歳)を対象とし,Philips社iE33を用いて3D四腔断面像を記録,QLAB(ver7)を用いて左房容積を計測し,さらに同3D画像から四腔・二腔断面を切り出しModified-Simpson(MS)法,Area-Length(AL)法で左房容積を計測,撮像した2D画像からもMS法,AL法で左房容積を計測して比較検討した.結果:記録時の平均心拍数は90±22 bpm,平均フレームレートは28±7 Hzであった.最大左房容積係数LAVI(Left atrium volume/BSA)は平均17.6±3.7 mL/m2,最小LAVIは平均5.9±1.5 mL/m2,平均EF 66.3±5.2%であり,性別・年齢による有意差はなかった.測定誤差は検者内:最大LAVI -1.3±3.0 mL/m2(平均差±Limits of agreement),最小LAVI -1.0±2.2 mL/m2,検者間:0.5±5.2 mL/m2,-0.4±2.8 mL/m2と再現性は良好であった.3D画像によるMS法とAL法では最大LAVIがそれぞれ16.2±3.1 mL/m2(1.0±4.4),18.2±3.8 mL/m2(-0.5±5.4)でほぼ一致していた.2D画像からの計測は左房長軸の描出に劣るため測定誤差-3.3±7.0 mL/m2,-3.3±6.6 mL/m2とやや過大評価であった.まとめ:3Dエコーによる左房解析は小児においても有用であった.今後は計測値の蓄積により小児における正常値を求めることが期待される.
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Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery | 論文
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