非生毛部悪性黒色腫のデルマトスコピー所見―臨床ならびに組織所見との比較検討―
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概要
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acral lentiginous melanoma in situ (ALM in situ)2例,ALM6例,nodular melanoma(NM)4例の非生毛部悪性黒色腫12例を対象に,病巣表面にデルマトスコープを圧抵して観察を行い,臨床ならびに組織所見と比較検討した.その結果,ALMの病巣中央部やNM,すなわち組織学的にvertical growth phaseを示す部位は特徴的所見に乏しかった.一方,ALM in situやALMの病巣辺縁におけるradial growth phaseの部位では,従来から報告されているcrista dominant pigmentationに加えて,既報告にない4つの色素パターンすなわちbrushing like pattern,irregular crista reticulated pattern,irregular crista diffuse pattern,irregular lattice like patternを認めた.これらの所見はpalmo-plantar nevusに比べてより不規則な像を呈したことから,両者の鑑別は可能であると思われた.したがって簡便かつ非侵襲的な本法は,早期病変を含む非生毛部悪性黒色腫における非観血的術前診断法として有用であると考えた.
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公益社団法人 日本皮膚科学会 | 論文
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